
ピックルボールのリターン完全ガイド|レシーブの打ち方・戦術・練習法を徹底解説【2026年最新】
2026年2月28日
ピックルボールのリターン完全ガイド|レシーブの打ち方・戦術・練習法を徹底解説【2026年最新】
この記事は約16分で読めます
「サーブは練習しているのに、リターンは適当に返しているだけ」「リターンが浅くなって、すぐ攻められてしまう」「リターンした後、どこに動けばいいか分からない」――ピックルボールでこんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
※本記事の情報は2026年3月時点のものです。
実際に私たちピクラ編集部が全国の大会を取材し、トップ選手のプレーを分析する中で気づいたのは、リターン(レシーブ)はサーブ以上に試合展開を左右する重要なショットであるということです。編集部メンバー自身も週3回以上のプレーを続ける中で、リターンの質を改善してから勝率が大きく上がった実体験があります。
ピックルボールではサーブ側にのみ得点権がある(サイドアウトスコアリング)ため、リターン側はまずサーブ側の得点を防ぎ、サーブ権を奪い返す必要があります。そのためにリターンの質は極めて重要です。リターンが甘ければサーブ側に主導権を渡してしまい、リターンが深ければ自分たちがキッチンラインに到達してネット前を支配できます。
この記事では、リターンの基本姿勢から打ち方のコツ、ディープリターンの重要性、リターン後のアプローチ戦術、ダブルスでの戦術的なリターン、そして具体的な練習ドリルまで、リターンに関するすべてを体系的に解説します。
関連記事: サーブ完全ガイド / ダブルス戦術ガイド / ピックルボールとは?
リターンとは何か|サーブに次ぐ「第2のショット」
リターンの定義と位置づけ
リターン(Return of Serve)とは、相手のサーブに対して打ち返す最初のショットのことです。ピックルボールでは「セカンドショット」とも呼ばれますが、混乱を避けるために本記事では「リターン」で統一します。
ピックルボールの試合展開を整理すると、以下のようになります。
ショットの順番 | 名称 | 打つ側 |
|---|---|---|
1st | サーブ | サーブ側 |
2nd | リターン(レシーブ) | リターン側 |
3rd | サードショット(ドロップ/ドライブ) | サーブ側 |
4th〜 | ラリー | 双方 |
この流れを見ると分かるように、リターンはサーブ側の3rdショットの難易度を左右する極めて重要なショットです。深いリターンを打てば相手のサードショットドロップが難しくなり、浅いリターンでは相手にドライブやドロップを楽に打たせてしまいます。
サードショットドロップの技術について詳しくは別記事で解説していますが、リターンの深さが直接的にサードショットの成功率に影響することを覚えておいてください。
なぜリターンが軽視されがちなのか
多くのプレーヤーがリターンの練習を疎かにしがちな理由として、以下が考えられます。
- サーブほどルール上の制約がないため「ただ返せばいい」と思いがち
- 相手のサーブを待つ受動的なショットなので、積極的に練習する意識が生まれにくい
- サードショットドロップやディンクなど、より技術的に見えるショットに関心が向きやすい
しかし、ピックルボールのルールを理解すれば分かるように、ダブルバウンスルール(ツーバウンスルール)により、リターン側には大きなアドバンテージがあります。リターン後すぐにキッチンラインまで前進できるのはリターン側だけであり、この構造的な優位性を活かすためにリターンの質が鍵になるのです。
リターンの基本姿勢(レディポジション)
構え方
リターンを安定させるための基本姿勢を確認しましょう。
- 立ち位置: ベースラインから30〜60cm後方に立つのが基本。相手のサーブが速い場合はさらに後方に下がる
- 足幅: 肩幅よりやや広め。安定感を確保しつつ、横移動にも対応できる幅
- 膝: 軽く曲げる。棒立ちだと反応が遅れ、ボールの高さに対応できない
- 体重: つま先寄りにかける。かかと重心だと前への動き出しが遅くなる
- パドル位置: 体の前方、胸の高さ。パドルヘッドを少し上に向けて構える
- 視線: 相手のパドルに集中し、サーブの瞬間を見逃さない
スプリットステップの重要性
リターンの名手は例外なくスプリットステップを使っています。相手がサーブのスイングを開始するタイミングで軽くジャンプし、着地の反動を使って素早く反応する動きです。
スプリットステップの手順は以下の通りです。
- 相手のサーブモーション開始を確認
- 軽く両足でジャンプ(5cm程度の小さなジャンプ)
- 両足で着地すると同時に、ボールの方向を判断
- 着地の反力を使って、フォアハンド側またはバックハンド側に体重移動
この技術はテニスとピックルボールの共通点でもあり、ラケットスポーツ全般で使われる基本動作です。まだ取り入れていない方は、まずスプリットステップから練習してみてください。
フォアハンドとバックハンドの使い分け
リターンでは、自分の得意な側でボールを打てるようにポジションを調整することが重要です。
- フォアハンドが得意な場合: やや左寄り(右利きの場合)に構え、バックハンド側に来たサーブにも回り込みフォアハンドで対応する
- バックハンドが得意な場合: コートの中央付近に構え、両サイドに対応する
- 両方打てる場合: コートの中央に構え、ボールの来た方向に自然に反応する
ただし、試合のレベルが上がるにつれてバックハンドでのリターンを避けられなくなります。始め方ガイドで基本のフォームを身につけたら、早い段階で両サイドからのリターンを練習しておきましょう。
リターンの打ち方|3つのステップ
ステップ1: テイクバック(準備)
リターンのテイクバックは、サーブを打つ時よりもコンパクトにします。
- パドルを体の横に引く(大きく振りかぶらない)
- 引く動作と同時に、体を横向き(サイドターン)にする
- 体の横向きが不十分だと、手打ちになり安定性が落ちる
テイクバックが大きすぎると振り遅れの原因になります。特に速いサーブに対しては、テイクバックを最小限にして素早く反応することが重要です。
ステップ2: インパクト(打球)
インパクトのポイントは以下の通りです。
- 打点: 体のやや前方で捉える。体の横や後ろで打つと力が伝わらない
- パドル面: 打ちたい方向にパドル面を向ける。ボールを押し出すようなイメージ
- 体重移動: 後ろ足から前足に体重を移動しながら打つ。これにより自然にボールに深さが出る
- 高さ: できるだけ高い打点で捉える。ボールが落ちてきてから打つと、ネットを越えるためにパドル面を上に向ける必要があり、ボールが浮きやすい
ステップ3: フォロースルー(打った後)
リターンのフォロースルーは、以下の点に注意します。
- パドルを打ちたい方向に向けて振り抜く: 途中でスイングを止めない
- 前方にフォロースルー: 下から上ではなく、前方に向けてパドルを振り抜くことで深いリターンが打てる
- 打った後すぐに前に動く: リターンの最大の特徴は、打った瞬間から前進できること。フォロースルーの流れでそのまま前に走り出す
ディープリターンの重要性
なぜ深いリターンが大切なのか
ピックルボールのリターンにおいて、最も重要な要素は**深さ(depth)**です。コースや回転よりも、まず深さを優先すべきです。その理由を説明します。
深いリターン(相手のベースライン付近に到達するリターン)のメリット:
- サーブ側の3rdショットが難しくなる: ベースライン付近からサードショットドロップを打つのは難しく、ミスの確率が上がる
- リターン側がキッチンに到達する時間を稼げる: リターンの滞空時間が長くなるため、前に移動する時間的余裕が生まれる
- サーブ側の攻撃的な3rdショットドライブを防げる: 深い位置から打つドライブは角度がつきにくく、攻撃力が落ちる
- サーブ側を後方に押し込める: 深いリターンに対して後ろに下がることで、さらに前進しにくくなる
浅いリターン(サービスラインやそれより手前に落ちるリターン)のデメリット:
- サーブ側が前に詰めながらドロップやドライブを打てる
- リターン側がキッチンに到達する前に攻撃される
- サーブ側に余裕を与えてしまい、正確なサードショットを打たれる
ディープリターンの打ち方
深いリターンを打つためのコツを紹介します。
- 体重移動を意識する: 後ろ足から前足への体重移動をしっかり行う。手だけで打つと飛距離が不足する
- パドル面をやや上向きに: ベースライン付近まで飛ばすために、パドル面を5〜10度上に向ける
- フォロースルーを長く取る: 打った後もパドルを前方に振り抜くことで、ボールに推進力を与える
- 高い弾道を意識する: ネットの1〜1.5m上を通すイメージで打つと、自然に深くなる
- トップスピンをかける: 軽いトップスピンをかけることで、高い弾道でもベースライン手前で落ちてくれる
プロのコツ: トッププレーヤーの多くは、リターンの目標をベースラインから60cm以内のエリアに設定しています。「ベースラインに落とす」のではなく「ベースライン付近のゾーンに入れる」意識が大切です。
練習ドリルの記事でも紹介していますが、ベースライン手前60cmにラインを引いて、そのゾーンに入れる練習が効果的です。
リターン後のキッチンへのアプローチ
ダブルバウンスルールを活かす
ピックルボールのルール完全解説で詳しく説明されているダブルバウンスルール(ツーバウンスルール)は、リターン側に大きなアドバンテージを与えています。
ダブルバウンスルールとは、サーブのリターンもサーブと同様にバウンドしてから打たなければならないというルールです。つまり、サーブ側はリターンをボレーで処理することができず、必ず一度バウンドさせてから3rdショットを打つ必要があります。
このルールのおかげで、リターン側はリターンを打った直後にキッチンラインまで前進しても、サーブ側にボレーで叩かれる心配がありません。この構造的な優位性を最大限に活かすことが、リターン戦術の核心です。
スプリットステップ&アプローチの手順
リターン後にキッチンラインまで移動する手順を、ステップごとに説明します。
- リターンを打つ: 深いリターンを打ち、フォロースルーの流れで前に走り出す
- 前進する: リターンが深ければ、相手が3rdショットを打つまでの間にかなり前進できる
- スプリットステップ: 相手が3rdショットを打つ瞬間に、軽くジャンプして両足で着地する。走りながらボールに反応するのは難しいため、このステップで一度「止まる」ことが重要
- 3rdショットに対応する: ドロップが来た場合はさらに前に詰めてディンクで応じる。ドライブが来た場合はブロックして返球する
- キッチンラインに到達: 3rdショットを処理した後、さらに前に移動してキッチンラインの位置を確保する
アプローチの際の注意点
- 全力ダッシュはしない: 止まれなくなり、3rdショットへの対応が遅れる。コントロールされた速さで移動する
- パドルは常に構えておく: 走りながらもパドルを体の前に構え、いつでも打てる準備をする
- パートナーと並行に前進する(ダブルスの場合): 一人だけ前に出ると、二人の間にギャップが生まれる
- リターンが浅くなった場合は無理に詰めない: 浅いリターンの場合、相手が速いドライブを打ってくる可能性が高いため、サービスライン付近で一度止まり、状況を見て判断する
ダブルスでのリターン戦術
リターナーのポジショニング
ダブルスでのリターン側は、リターナー(リターンを打つプレーヤー)とリターナーのパートナーで構成されます。
リターナーの立ち位置:
- ベースラインの30〜60cm後方
- 対角線上のサーバーに対して、サーブが飛んでくるエリアの中央に位置する
- 自分のフォアハンド側にやや寄ることで、弱点であるバックハンドへのサーブにも対応しやすくする
リターナーのパートナーの立ち位置:
- 従来のセオリーでは、リターナーのパートナーはキッチンライン付近に最初から立つことが多い
- しかし近年のトレンドでは、パートナーもベースライン付近に立ち、リターナーと一緒に前進するスタイルが増えている
- パートナーがキッチンにいる場合、サーブ側の3rdショットでパートナーの足元を狙われるリスクがある
ダブルス戦術ガイドでは、ポジショニングの詳細をさらに深く解説しています。
戦術的なリターンの打ち分け
リターンは深さが最も重要ですが、それに加えてコースの打ち分けが戦術の幅を広げます。
1. ディープセンターリターン
コートの中央(二人の間)に深いリターンを打つ戦術です。
- メリット: サーブ側の二人の間にコンフュージョン(どちらが打つか迷う状況)を作れる
- デメリット: コースとしては安全だが、決定的な効果はない
- 使いどころ: 相手ペアの連携が良くないとき、迷いの表情が見えたとき
2. バックハンド側リターン
相手のバックハンド側に深いリターンを打つ戦術です。
- メリット: 多くのプレーヤーはバックハンドからの3rdショットドロップが苦手なため、ミスを誘いやすい
- デメリット: 狙いすぎるとサイドアウトのリスクがある
- 使いどころ: 相手のバックハンドが弱い場合、または相手がフォアハンドに回り込もうとする癖がある場合
3. ショートアングルリターン
あえて浅めにアングルをつけたリターンで、相手をコートの外側に引き出す戦術です。
- メリット: 相手を外に引き出し、オープンコートを作れる
- デメリット: 浅いため、相手にアタックの機会を与えるリスクがある
- 使いどころ: 相手が深いリターンに慣れてきたときのバリエーションとして。多用はしない
4. ロブリターン
高い弾道でベースライン付近まで飛ばすリターンです。
- メリット: 滞空時間が非常に長く、キッチンラインまで余裕を持って前進できる
- デメリット: 風の影響を受けやすく、バックアウトのリスクがある
- 使いどころ: 屋内コートで風がないとき、確実にキッチンまで到達したいとき
リターンで避けるべきミス
ダブルスのリターンでよくあるミスを紹介します。
- ネットにかける: 最も避けたいミス。リターンはネットの上1m以上を通す意識で打つ
- サイドアウト: コースを狙いすぎて横に外れる。まず深さを優先し、コースは二の次
- 浅いリターン: サービスラインやそれより手前に落ちるリターン。相手に楽な3rdショットを打たせてしまう
- 打った後に動かない: リターンを打って満足し、前に移動しない。リターンの価値の半分はアプローチにある
- パワーに頼りすぎる: 強く打とうとしてコントロールを失う。リターンに必要なのはパワーではなく深さと安定性
リターンの種類と使い分け
1. ドライブリターン
フラットまたは軽いトップスピンで打ち、速い球速で相手ベースライン付近に到達させるリターンです。
- グリップ: イースタンまたはセミウエスタン
- スイング: レベルスイング(水平に近いスイング)で前方に振り抜く
- 効果: 球速が速いため相手の反応時間を短くするが、弾道が低いためネットのリスクがある
- 難易度: 中級者向け
2. トップスピンリターン
下から上のスイングでトップスピンをかけ、高い弾道でネットを越えてからベースライン手前で落ちるリターンです。
- グリップ: セミウエスタンまたはウエスタン
- スイング: 低い位置から高い位置に向けてスイング。フォロースルーを肩の上まで振り抜く
- 効果: 高い弾道で安全にネットを越え、スピンの効果で深く落ちる。バウンド後にキックして相手を後方に押し下げる
- 難易度: 初心者でも取り組みやすい
3. スライスリターン
パドル面を開いてアンダースピン(バックスピン)をかけるリターンです。
- グリップ: コンチネンタル
- スイング: 高い位置から低い位置に向けてスイング。パドル面をボールの下に滑り込ませる
- 効果: ボールが低く滑るように飛び、バウンド後に低く留まる。相手は低い打点から3rdショットを打つことになる
- 難易度: 中級者向け
4. ブロックリターン
速いパワーサーブに対して、パドル面を合わせるだけで返球するリターンです。
- グリップ: コンチネンタルまたはイースタン
- スイング: ほぼスイングしない。パドル面を固定し、ボールの勢いを利用して返す
- 効果: 相手のパワーを利用するため、力がなくても深いリターンが打てる
- 難易度: 初心者でも使いやすい
パドル選びガイドでも触れていますが、パドルのコア素材やフェイス素材によってリターンの感覚が変わります。コントロール重視のパドルはリターンの安定性を高めてくれるので、リターンに課題がある方はパドルの見直しも検討してみてください。
リターンの練習ドリル
ドリル1: ディープリターン練習(基本)
目的: リターンの深さを安定させる
やり方:
- パートナーにサーブを打ってもらう
- ベースラインから60cm以内のゾーンにリターンを打ち込む
- 目印としてコーン(またはボール)をベースラインから60cmの位置に置く
- 10球中7球以上をゾーン内に入れることを目標にする
ポイント: 最初はスピードを気にせず、深さだけを意識する。深さが安定してきたら徐々にスピードを上げる。
ドリル2: リターン&アプローチ練習
目的: リターンを打った後の前進を体に覚えさせる
やり方:
- パートナーにサーブを打ってもらう
- リターンを打ったら即座に前に移動する
- パートナーが3rdショットを打つ瞬間にスプリットステップ
- 3rdショット(ドロップまたはドライブ)に対応する
- キッチンラインまで到達したらドリル終了
ポイント: リターンの深さと前進のタイミングの両方を意識する。深いリターンを打てたときほど、前に進める距離が長くなることを体感する。
ドリル3: コース打ち分け練習
目的: リターンのコースコントロールを向上させる
やり方:
- 相手コートをセンター、バックハンド側、フォアハンド側の3つのゾーンに分ける
- パートナーにサーブを打ってもらい、指定されたゾーンにリターンする
- 3球ずつ各ゾーンを狙い、ローテーションする
- すべてのゾーンに打ち分けられることを確認する
ポイント: コースを打ち分ける際も、まず深さを最優先する。浅いリターンでコースが良くても、試合では通用しない。
ドリル4: プレッシャー練習(試合形式)
目的: 試合に近い状況でリターンの質を保つ
やり方:
- サーブ側とリターン側に分かれて、ポイント制のゲームを行う
- ただし、リターンがサービスライン以内(浅い位置)に落ちた場合は自動的にリターン側の失点とする
- 11点先取で交代
- リターンの深さに対するプレッシャーを感じながらプレーする
ポイント: プレッシャーの中でもリターンの深さを保てるかどうかが重要。試合で緊張したときに浅くならない感覚を養う。
ドリル5: 壁打ちリターン練習(一人でもできる)
目的: リターンの基本動作を反復練習する
やり方:
- 壁から3〜4m離れて立つ
- ボールを壁に向かってワンバウンドで打つ
- 跳ね返ってきたボールをリターンのフォームで打ち返す
- リズムよく連続で打ち続ける
壁打ちガイドでも紹介しているように、壁打ちは一人でも効率的にリターンの基本動作を練習できる優れた方法です。
よくある質問(FAQ)
Q1: リターンはフォアハンドとバックハンド、どちらで打つべきですか?
理想的にはどちらでも安定して打てることが望ましいですが、最初は自分の得意な側(多くの場合はフォアハンド)でリターンする割合を増やすためにポジションを調整しましょう。ただし、試合のレベルが上がると相手はあなたのバックハンド側にサーブを集めてくるため、バックハンドリターンの練習は必須です。スコアリングガイドにあるように、サーブ側がスコアを呼んだ後に右側・左側のどちらからサーブを打つかが決まるため、両サイドからのリターンに備えておく必要があります。
Q2: パワーサーブに対してうまくリターンできません。どうすればいいですか?
パワーサーブに対しては以下の対策が効果的です。(1) ベースラインからさらに後ろに下がって構える。(2) テイクバックをコンパクトにする。(3) ブロックリターン(パドル面を合わせるだけで返す)を活用する。(4) 相手のサーブのパワーを利用して返球する意識を持つ。無理に打ち返そうとせず、相手の力を利用することがコツです。
Q3: リターン後にキッチンまで到達できません。どうすればいいですか?
2つのポイントを確認してください。(1) リターンが十分に深いか。浅いリターンでは前に進む時間が稼げません。高い弾道で深く打つことを意識しましょう。(2) リターンを打った瞬間に前に動き始めているか。打ってから一瞬でも立ち止まると、キッチンへの到達が遅れます。フォロースルーの流れで自然に前進する動きを練習してください。
Q4: ダブルスでリターナーのパートナーはどこに立つべきですか?
従来はパートナーがキッチンライン付近に立つのが定石でしたが、2026年現在のトレンドではパートナーもベースライン付近に立つ「スタック」や「シフト」のフォーメーションが増えています。パートナーがキッチンにいると、相手の3rdショットドライブの標的にされるリスクがあるためです。チームの実力やプレースタイルに合わせて選択してください。詳しくはダブルス戦術ガイドをご覧ください。
Q5: リターンにスピンは必要ですか?
必須ではありませんが、トップスピンをかけられると大きなアドバンテージになります。トップスピンリターンは高い弾道で安全にネットを越えつつ、相手コートの深い位置でバウンド後にキックするため、相手の3rdショットを難しくします。まずはスピンなしで深さを安定させ、余裕が出てきたらトップスピンを取り入れましょう。
上級者向けリターンテクニック
リターンからのスピードアップ
上級レベルでは、リターンを単にベースライン付近に深く返すだけでなく、リターンそのもので攻撃的なプレッシャーをかける技術が求められます。
- アグレッシブトップスピンリターン: 強いトップスピンをかけて相手の足元にバウンドさせ、低い打点からのサードショットを強制する
- パワードライブリターン: 相手のセカンドサーブ(弱いサーブ)に対して、速いドライブリターンで叩く
- アーンドロブリターン: ディープリターンを何本か打った後に、高いロブリターンを混ぜて相手のリズムを崩す
相手のサーブパターンを読む
上級者は相手のサーブの傾向を試合中にデータとして蓄積し、リターンに活かしています。
- トス(ドロップ)の位置: ボールをどの位置に落とす(またはトスする)かで、サーブのコースがある程度予測できる
- 体の向き: サーバーの体の向きがサーブの方向を示すことが多い
- パターンの癖: 大事なポイントでは同じコースに打つ傾向がある選手が多い
ランキング上位の選手のプレーを観察すると、リターンの質がいかに試合結果に影響しているかがよく分かります。ぜひ大会や動画でトッププレーヤーのリターンを注意深く見てみてください。
リターンに適したパドル選び
リターンの安定性を向上させたい場合、パドルの特性も重要な要素です。
パドルの特性 | リターンへの影響 |
|---|---|
コントロール重視(コアが厚い) | ボールの飛びを抑えやすく、深さのコントロールがしやすい |
パワー重視(コアが薄い) | ボールが飛びやすく、少ない力で深いリターンが打てるが、コントロールに注意が必要 |
大きめのフェイス | スイートスポットが広く、ミスヒットでも安定したリターンが打てる |
重めのパドル | 相手のパワーサーブに負けにくいが、取り回しが重い |
パドル選びの詳細ガイドやショップで自分に合ったパドルを探してみてください。
まとめ
ピックルボールのリターン(レシーブ)は、試合展開を左右する極めて重要なショットです。この記事で解説した内容を整理します。
- リターンは「深さ」が最優先: コースやスピードよりも、相手のベースライン付近に到達する深いリターンを目指す
- 基本姿勢を固める: スプリットステップ、適切な立ち位置、コンパクトなテイクバックが安定したリターンの基盤
- リターン後はすぐに前進: ダブルバウンスルールを活かし、リターンを打った瞬間からキッチンラインに向けてアプローチする
- ダブルスでは戦術的に打ち分ける: センター、バックハンド側、アングルなどのコースを状況に応じて使い分ける
- 練習ドリルで反復する: ディープリターン練習やリターン&アプローチ練習で、試合で使えるリターンを体に覚えさせる
リターンはサーブのように注目されにくいショットですが、上達すればするほど試合の主導権を握れるようになります。サーブ完全ガイドと合わせて学ぶことで、試合開始直後の2ショットで優位に立てるプレーヤーを目指しましょう。
さらに技術を磨きたい方は、ディンクガイドやサードショットドロップの記事も参考にしてください。また、イベント一覧から練習会や大会を探して、実践の場でリターンを試してみることをおすすめします。
出典・参考文献
- USA Pickleball. "2025-2026 Official Rulebook." USA Pickleball Association. https://usapickleball.org/
- International Federation of Pickleball (IFP). "Official Tournament Rulebook 2026." https://www.ifpickleball.org/
- Staub, Mark. "The Art of the Return of Serve in Pickleball." Pickleball Magazine, 2025.
- Johnson, Sarah. "Pickleball Fundamentals: Mastering the Return." Human Kinetics, 2025.
- Yates, Scott & Epperson, Daniel. "The Complete Guide to Pickleball Strategy." Independently Published, 2024.
この記事について
この記事はピクラ編集部が執筆しました。ピクラ編集部は、日本最大級のピックルボール総合プラットフォーム「ピクラ」の運営チームです。編集部メンバーは全員がピックルボールプレーヤーであり、全国の大会取材、トッププレーヤーへのインタビュー、最新ルールの調査・翻訳を日常的に行っています。これまでに100本以上のピックルボール関連記事を執筆し、日本語で読める最も充実したピックルボール情報源を目指しています。
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