
ベン・ジョンズ(Ben Johns)完全ガイド|ピックルボール世界No.1選手のプレースタイル・戦績・使用パドル【2026年版】
2026年2月28日
ベン・ジョンズ(Ben Johns)完全ガイド|ピックルボール世界No.1選手のプレースタイル・戦績・使用パドル【2026年版】
この記事は約10分で読めます
※本記事の情報は2026年3月時点のものです。ランキング・戦績・使用パドルなどの情報は変更される場合がありますので、PPA Tour公式サイトやDUPRで最新情報をご確認ください。
「ピックルボールの世界で最も強い選手は誰?」――この問いに対する答えは、ここ数年間ずっと変わっていません。**ベン・ジョンズ(Ben Johns)**です。
シングルス・ダブルス・ミックスダブルスのすべてでトップに君臨し、PPA Tourのタイトル数は150を超え(2025年末時点で通算169タイトル)、トリプルクラウン(1大会で3種目すべて優勝)を22回以上達成。通算勝率86%超という圧倒的な数字が、彼の支配的な強さを物語っています。
この記事では、ベン・ジョンズの経歴・キャリアハイライト・プレースタイル・使用パドル・DUPRレーティング・動画の視聴方法まで、日本語で網羅的に紹介します。ピックルボールを始めたばかりの方にも、プロの試合を研究したい中上級者にも、役立つ情報を詰め込みました。
関連記事: PPA Tour完全ガイド / MLP(メジャーリーグピックルボール)ガイド / DUPRとは? / 大会完全ガイド
ベン・ジョンズのプロフィール
項目 | 内容 |
|---|---|
フルネーム | Benjamin Ellingham Johns |
生年月日 | 1999年3月18日 |
出身地 | アメリカ合衆国メリーランド州レイトンズビル(Laytonsville) |
利き手 | 右利き |
学歴 | メリーランド大学(University of Maryland)材料科学・工学専攻 |
兄弟 | コリン・ジョンズ(Collin Johns)もプロピックルボール選手 |
スポンサー | JOOLA |
PPA Tourランキング | ミックスダブルス1位、ダブルス1位(2025年3月時点) |
DUPRレーティング | 7.126(2026年2月時点) |
ベン・ジョンズは7人きょうだいの中間子として、メリーランド州レイトンズビルで育ちました。ホームスクーリングで教育を受け、幼少期からテニスや卓球などのラケットスポーツに親しんできました。テニスでは州選手権で複数回の優勝を経験しています。
メリーランド大学では材料科学・工学を専攻し、学業を続けながら週末にはピックルボールのトーナメントに遠征するという二足のわらじを履いていました。「教育は最優先事項だった」と本人が語っている通り、学業とスポーツの両立を実現したうえで大学を卒業しています。
経歴とキャリアハイライト
ピックルボールとの出会い(2016年)
ベン・ジョンズがピックルボールに出会ったのは2016年、17歳のときです。フロリダ州での休暇中にピックルボールを知り、戦略性とアスレチシズムが融合するこのスポーツに即座に魅了されました。
同年、彼はU.S. Open Pickleball Championshipsに初出場し、男子プロシングルスで5位に入賞。わずか初出場でトップ5入りという結果は、その後の支配的なキャリアを予感させるものでした。
急成長と記録達成(2019年)
2019年はベン・ジョンズにとって飛躍の年でした。
- シングルス108連勝を記録
- ミックスダブルス22大会連続優勝を達成
- ユタ州ブリガム・シティのTournament of Championsで、男子選手として初めてメジャー大会でトリプルクラウンを達成
わずか20歳にして、ピックルボール界の頂点に立ったのです。
2021-2022年:さらなる支配
2021年と2022年には、ピックルボール最大の大会の一つであるU.S. Openで2年連続トリプルクラウンを達成。シングルス・ダブルス・ミックスダブルスの3種目すべてで金メダルを獲得し、名実ともに世界No.1の座を不動のものにしました。
2024年:タイトルの積み重ね
2024年のRed Rock Open時点で、PPA Tourでの通算金メダル数は123個に到達。トリプルクラウン数は22回以上と、男子選手史上最多記録を更新し続けています。
2025年:新たなパートナーシップ
2025年シーズンに入り、長年のダブルスパートナーであった兄コリン・ジョンズとのペアを解消。新たにガブリエル・タルディオ(Gabe Tardio)と男子ダブルスを組むという決断を下しました。
兄弟ペアとしての通算成績は、58大会で33タイトル・43メダルを獲得し、勝率は圧倒的。51大会でベスト4以上(88%)という驚異的な安定感を誇りました。パートナー変更後も、ベン・ジョンズのダブルスでの強さは衰えていません。
通算キャリアスタッツ(2026年2月時点)
指標 | 数値 |
|---|---|
プロトーナメント出場数 | 114大会以上 |
通算試合数 | 852試合以上 |
通算勝率 | 約86.6% |
PPA Tourタイトル | 150以上(2025年末時点で通算169タイトル) |
トリプルクラウン | 22回以上(男子史上最多) |
直近10試合の成績 | 10勝0敗 |
PPA TourとMLPでの戦績
PPA Tour
PPA Tour(Professional Pickleball Association Tour)は、世界最高峰のプロピックルボールツアーです。ベン・ジョンズはPPA Tourの「顔」ともいえる存在で、ツアー設立当初から圧倒的な成績を残してきました。
ベン・ジョンズの3種目における実績:
シングルス: かつてはシングルスでも無敵の強さを誇り、108連勝の記録を持つ。ただし、2025年以降はパドル技術の進化や他選手のレベルアップ、3種目出場による身体的負担を考慮し、シングルスへの出場頻度を減らす傾向にある。
ダブルス: 兄コリンとのペアでPPA Tour史上最多勝利ダブルスチームとなった。2025年からはガブリエル・タルディオと新たなペアを結成し、引き続き結果を出し続けている。
ミックスダブルス: アナ・リー・ウォーターズ(Anna Leigh Waters)との名コンビで、通算58タイトル以上(2026年初頭時点)を獲得。決勝での戦績は驚異的な勝率を記録している。数少ない敗戦には、2024年オースティンオープンでのアンナ・ブライト/アンドレイ・ダエスク組、2025年ノースカロライナカップでのJW・ジョンソン/ジョージャ(Jorja)・ジョンソン組によるものがある。
MLP(メジャーリーグ・ピックルボール)
MLP(Major League Pickleball)は、チーム対抗形式のプロピックルボールリーグです。
ベン・ジョンズは当初カロライナのチームに所属していましたが、2025年7月にMLPの歴史上最大のトレードの一つとして**ロサンゼルス・マッドドロップス(LA Mad Drops)**に移籍。3チームが絡む大型トレードとして大きな話題を呼びました。
移籍後のマッドドロップスはセミファイナルに進出。2026年シーズンもベン・ジョンズは引き続きマッドドロップスに在籍し、マックス・フリーマンとの新たなダブルスコンビが注目されています。
プレースタイルの特徴
ベン・ジョンズが他の選手と一線を画す理由は、単純なパワーやスピードではなく、「戦術的知性」と「技術の多彩さ」にあります。
右利きとしてのプレースタイルの強み
ベン・ジョンズは右利きの選手です。右利きでありながら世界No.1に君臨し続けられる理由は、フォアハンド・バックハンド両方で圧倒的な攻撃力を持つ点にあります。特にバックハンド側のショットは左利き選手顔負けの角度を生み出し、相手に対応の余地を与えません。ダブルスでは、パートナーとの配置を柔軟に調整し、フォアハンドを活かすポジショニングで戦術の幅を広げています。
バックハンドロール:ピックルボール史上最高のショット
ベン・ジョンズの代名詞ともいえるのが、バックハンドロールです。このショットはピックルボール界で最も破壊力のあるショットの一つとされています。
バックハンドロールの特徴:
- 見せかけ(デセプション): セットアップがバックハンドディンクと全く同じため、相手は攻撃が来ると予測できない
- 強烈なトップスピン: 独特なメカニクスによりヘビーなスピンがかかり、ボールが急速に沈む
- 正確なプレースメント: 右利きの相手の右腰(最も守りにくいポイント)に正確に狙い打つ
興味深いのは、このショットのルーツです。幼少期に卓球をプレーしていた際、本棚が卓球台の後ろにあったため左側に動けず、バックハンドで攻撃的に打たざるを得ない環境で育ったことが、この世界最高のバックハンドを生み出す原体験になったとされています。
オールラウンダーとしての完成度
ベン・ジョンズの強さは、特定のショットだけに依存していない点にあります。
- ディンクゲーム: ネット際でのソフトゲームの精度が極めて高い
- サードショットドロップ: サーブ後の3球目でキッチンにソフトボールを落とす技術が正確
- スピードアップ: 緩いラリーからの突然の加速で相手を崩す判断力
- パワードライブ: フォアハンド・バックハンド両方から強力なドライブを打てる
- リセット能力: 攻め込まれた場面でも冷静にリセット(ソフトショットで切り返し)できる
2025年のDesert Ridge Openでは、両手バックハンドも新たに取り入れる姿が確認されており、常に進化を続ける姿勢が彼の長期的な支配力の源泉です。
戦術的な頭脳
多くのコーチやアナリストが指摘するのは、ベン・ジョンズの「IQ(戦術的知性)の高さ」です。
- 相手のフォーメーションや癖を試合中に分析し、リアルタイムで戦術を変更する
- 無理に攻撃せず、相手がわずかに高いボールを返してきた瞬間に攻める「待ちの姿勢」
- ダブルスではパートナーとの連携を最大化するポジショニングセンス
材料科学を大学で学んだ分析的な思考力が、コート上での意思決定にも反映されているといえるでしょう。
使用パドル:JOOLA Ben Johns Hyperionシリーズ
ベン・ジョンズは2022年4月にJOOLAとパートナーシップ契約を結び、以来JOOLAのシグネチャーパドルを使用しています。
JOOLA Ben Johns Hyperion CFS 16
ベン・ジョンズの名を冠した代表的なパドルで、多くのアマチュアプレーヤーにも人気があります。
項目 | スペック |
|---|---|
コア厚 | 16mm |
表面素材 | Carbon Friction Surface(CFS) |
コア素材 | Propulsion Core |
重量 | 約230g |
CFS(カーボンフリクションサーフェス)により強力なスピンが生まれ、16mmのコア厚がパワーとコントロールのバランスを提供します。
JOOLA Ben Johns Hyperion Pro IV(2025年モデル)
2025年モデルでは、JOOLA独自のTechFlex Power(TFP)テクノロジーが搭載されました。パドル全体の重量配分を最適化しつつ疲労を軽減する設計で、Propulsion Coreとの組み合わせにより、パワーと寛容性(ミスヒット時の安定感)を両立しています。
14mmと16mmの2種類のコア厚が用意されており:
- 16mm: コントロール重視。ディンクゲームやソフトゲームの精度を求めるプレーヤー向け
- 14mm: パワー重視。空気抵抗が少なく、スイングスピードを活かした攻撃的プレー向け
パドル選びに悩んでいる方は、パドルの選び方ガイドも参考にしてください。
DUPRレーティング
DUPR(Dynamic Universal Pickleball Rating)は、ピックルボールの世界標準レーティングシステムです。ベン・ジョンズのDUPRレーティングは以下の通りです。
カテゴリ | レーティング | 時期 |
|---|---|---|
総合 | 7.126 | 2026年2月時点 |
シングルス | 7.218 | 2025年3月時点 |
ダブルス | 7.254 | 2025年3月時点 |
DUPRの最大値は理論上8.000前後とされており、7.0を超えること自体が世界トップクラスの証です。ベン・ジョンズはシングルス・ダブルスの両方で男子1位のレーティングを維持しています。
ちなみに、一般的なレクリエーションプレーヤーのDUPRは2.0〜3.5程度、中級者で3.5〜4.5程度です。ベン・ジョンズの7.0超えがいかに異次元の数値であるかがわかります。
コリン・ジョンズとの兄弟ペア
ベン・ジョンズのキャリアを語るうえで欠かせないのが、兄コリン・ジョンズ(Collin Johns)の存在です。
コリン・ジョンズもプロピックルボール選手として活躍しており、兄弟でのダブルスペアはPPA Tour史上最も成功したチームの一つでした。
兄弟ペアの通算成績
指標 | 数値 |
|---|---|
通算出場大会数 | 58大会 |
通算タイトル | 33回 |
通算メダル | 43個 |
タイトル獲得率 | 56% |
表彰台率 | 74% |
ベスト4以上進出率 | 88%(58大会中51大会) |
ベンの攻撃的でダイナミックなショットメイキングと、コリンの堅実なディフェンスとリセット能力が見事に補完し合うスタイルで、長期間にわたりダブルス界を席巻しました。
2025年シーズン前に兄弟ペアの解消が発表されましたが、2025年のZimmer Biomet Masters Powered by Invitedで最後の共演を果たしています。
ベン・ジョンズの試合を見る方法
YouTube
ベン・ジョンズの試合を最も手軽に見る方法は、YouTubeです。
- PPA Tour公式チャンネル: PPA Tourのトーナメント映像がフルマッチで公開されている
- MLP公式チャンネル: MLPの試合もYouTubeで視聴可能
- Ben Johns本人のチャンネル: 練習動画やレッスンコンテンツも配信
ピックルボールを上達させたいなら、ベン・ジョンズのプレーを繰り返し観察することは非常に効果的です。特にバックハンドロールの打ち方、ディンクラリーでの駆け引き、スピードアップのタイミングは、映像で見ることで理解が深まります。
PPA Tour公式サイト・アプリ
PPA Tour公式サイト(ppatour.com)では、ライブ配信やハイライト動画を提供しています。大会スケジュールの確認もここで行えます。
pickleball.com
pickleball.comでは、選手のスタッツ(通算成績・勝率・対戦成績など)を詳細に閲覧でき、ベン・ジョンズの試合分析に役立ちます。
日本の選手・大会との接点
ピックルボールの国際化とアジアへの広がり
ベン・ジョンズはPPA TourやMLPを中心にアメリカ国内の大会に出場していますが、ピックルボールは急速に国際化が進んでいます。
日本でも2024年以降、国際大会の誘致や海外選手の来日が増加。特にAPP(Association of Pickleball Professionals)が日本で開催する大会(APP JAPAN Openなど)では、世界トップクラスの選手と日本の選手が同じコートで戦う機会が生まれています。
船水雄太選手のMLP参戦
日本からは、ソフトテニスのスターである船水雄太選手がピックルボールに転向し、2025年にMLPドラフトで日本人初の指名を受けました。船水選手がMLPの舞台でベン・ジョンズと対戦する可能性もあり、日本のピックルボールファンにとっては見逃せない展開です。
まとめ:なぜベン・ジョンズは「史上最高の選手」と呼ばれるのか
ベン・ジョンズが「GOAT(Greatest of All Time)」と称される理由を改めて整理すると:
- 3種目すべてでの支配: シングルス・ダブルス・ミックスダブルスのすべてで歴史的な成績を残している
- 通算勝率86%超: 852試合以上を戦い、この勝率を維持していること自体が驚異的
- 22回以上のトリプルクラウン: 1大会で3種目すべて優勝を22回以上達成した男子選手は他にいない
- 継続的な進化: 両手バックハンドの導入など、すでに頂点にいながら新しい技術を取り入れ続ける向上心
- 戦術的知性: メリーランド大学で培った分析力を活かした、科学的なアプローチ
ピックルボールに興味を持ったばかりの方も、まずはYouTubeでベン・ジョンズの試合を1本見てみてください。「ピックルボールってこんなに奥深いスポーツなのか」と、きっと衝撃を受けるはずです。
出典・参考
本記事の作成にあたり、以下の情報源を参照しました。すべて2026年2月〜3月に最終確認を行っています。
- Ben Johns公式サイト(benjohns.me/bio)- プロフィール・経歴
- PPA Tour公式サイト(ppatour.com/athlete/ben-johns/)- 戦績・ランキング
- Wikipedia「Ben Johns」(en.wikipedia.org/wiki/Ben_Johns)- 経歴・記録
- DUPR公式サイト(dupr.com)- レーティング情報
- pickleball.com/players/ben-johns/stats - 詳細スタッツ
- Major League Pickleball公式サイト(majorleaguepickleball.co/player/ben-johns/)- MLP所属情報
- JOOLA公式サイト(joola.com)- パドルスペック・テクノロジー情報
- The Dink Pickleball(thedinkpickleball.com)- ニュース・分析記事
- The Kitchen(thekitchenpickle.com)- トレード・パートナーシップ関連ニュース
- PickleWave(picklewave.com/players/367397-ben-johns)- 統計データ
最終確認日: 2026年3月1日